人材育成研修の対象者は研修の目的や内容によってそれぞれ異なりますが、場合によっては大勢を対象にすることもあります。例えば会社や団体の新人研修などは、同じ期に入ってきた全員が対象になる場合が多く、会社の規模によっては数百人単位で研修を行うこともあり得ます。これだけの大人数になるとその内容も限定されてしまう部分があるため、講師を招いての講義をメインにした形をとったり、グループごとに分かれてグループワークのような形をとったりすることも多くあります。基本的には全体で共有しておきたい事柄を学ぶ場となり、実地研修や実技研修などの実践的な部分はそれぞれの配属先に一任される場合が多いのが大人数での人材育成研修の特徴と言えるでしょう。
大勢を対象にした人材育成研修では、より多くの人が様々なことを学ぶ機会を得られたり全体としての共通認識を持てたりするというメリットがありますし、対象者を分けて行う場合と比べて一度で済むという日程面や講師への謝礼などの費用面のメリットも考えられます。一方で問題点もいくつかあり、まず第一に大勢の人が研修を受けられるような場所が必要ですし、大勢が参加する分研修中の通常業務への支障も大きくなります。また、少人数の場合と比べて参加者一人一人の感想や何を学べたかという部分が見えにくいため、研修の効果が分かりにくいという部分もあります。メリットと問題点をしっかりと考慮した上で、会社の規模や目的に応じた研修を行うことが重要です。